鍼灸院・整骨院開業の現状

鍼灸院や整骨院開業を今から目指している方に、長年、鍼灸整骨院を経営してきた私なりの将来展望を考えた簡単な考察をお話したいと思います。

鍼灸柔道整復師等、いわゆる東洋医学業界は、10年前と今では、大きく様変わりしています。
最大の要因は、小泉政策による施策の大きな変革。

それまでは、私も先輩方から学費や下積み時代の労力が多くかかり、苦難に感じても、資格を取り、ある程度の下積み経験を積んだ上で、鍼灸院または整骨院を開業すれば、数年でビルを建てられるほどの経営利益を得ることも可能だと教わりました。当初は、今よりも養成する機関も非常に少なく、今よりはるかに(ーー;)「狭き門」だったのです。
学費や資格取得にかかる費用も、今よりも多額に必要だったのです。

しかし郵政民営化をはじめ様々な業界に大きな変動を与えた小泉政策で、鍼灸院・整骨院の業界も大きく変わりました。
今では、全国にたくさんの学校が作られ、東洋医学の認知度もあがったため、鍼灸師柔道整復師の資格取得の窓口が増えた分、有資格者の人口も増え、これまでとは違い、工夫をした経営戦略やきっちりとした施術コンセプトなど、同業者ライバルとの差別化に成功できなければ、鍼灸院・整骨院を開業しても、成功が難しいといえ
る現状になったのです。

古くからの経営で、地元に密着し、固定の患者さんを抱えている鍼灸/整骨院は強いですが、これから新規に開業を考えているなら、開業する場所のマーケティング、開業した際の自分の自信がもてる治療分野、治療コンセプトをしっかりと明確化しておくことは必須です。

また、年々鍼師・灸師・マッサージ師および柔道整復師の施術に対する保険医療点数も、年々減点されていっていますので、保険医療で生き残る経営戦略、保険外診療自由診療の充実や多様化した運営を考えることも、これからの鍼灸院・整骨院開業を成功させるためには重要だと思います。

開業して、自分の力試しを願ったり、自身の考える治療を追究したい思いは大切ですが、こういった時代の変化、将来展望を見据えて、今後、長い目線で発展できる強いプランを作り、しっかりと準備することが、これからの鍼灸院・整骨院開業成功の秘訣(^^)vです。

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