エンジン部品の下請け精密加工工場

実家は兵庫で精密加工部品の下請け工場をしています
僕も高校を卒業して父親の工場で見習いからスタートしました。

うちの工場はいろいろな精密加工部品を作っていますが、僕が最初にすることになった仕事はエンジンの小さな一部品の精密加工です。
どこに使われているかわからないような5cmほどの部品で、でも精度は0.01mm以下で作らなければいけません。
本当に出来るのだろうかと不安になるくらいの精度です。 

父親と一緒に30年働いている専務さんに作業を教わります。
小さい頃から一緒に遊んでくれた親しい専務さんも、仕事では僕のことを単なる見習い職人として厳しく指導します。
でも厳しさの中でも真剣に取り組んで上達してくると、細かい所でも褒めてくれてそれがやる気につながっていきます。
もしかしたら、僕の性格を熟知しているからかもしれません。^_^

そして1ヶ月後、いよいよ専務さんのサポートの元、僕も1から工程を作業していくことになりました。

削りだしの旋盤を当てる作業は今までも練習してきていて「緊張しなければ出来る」と言われている工程です。
その言葉に後押しされて、失敗覚悟で自信を持って挑戦します。ε=( ̄。 ̄;)フゥ

でも最初は思いっきりやりすぎて精度が出せませんでした。
やっぱりどこか力みがあって練習用の加工とは感触が違います。
失敗した部品を見て、専務さんは「最初が大事だ。一旦旋盤に落ち着いてからは問題無かった」と的確に今の作業のまずかった所を指摘してくれました。

 次はその点に注意して最初だけは注意を払って旋盤に入れていきます。
今度は練習の時の触れた感触と同じ感覚です。
そのまま続けて精度を上げていき終了。

次は0.009でした。
なんとか合格です。
頑張ればもっと精度が出るようになるさ」と専務さんも優しく言ってくれました。 

まだまだ見習いはこれからですが、1つずつ仕事を覚えて、エンジン部品を加工できるように頑張っていきます。